オリジナル・オーダーメイド

現代では建築を取り巻く環境がめざましく変化し、そこを使う人々のニーズも多様化しています。顔や性格が一人一人違うように、生活スタイルも違えば求める理想の住宅も様々です。そして、建てようとする敷地は世界に1つしかありません。敷地が違えば、その形状、規模、入口の方向、周辺環境などが違ってきます。私たちはまず、その大切な土地を最大限に有効利用するにはどうするか、というところから考え、その土地の悪条件を克服し、良い条件を引き出したいと思います。日照、通風、騒音、景観などを検討し、その敷地の持っているポテンシャルを引き出していきます。このように、敷地条件だけ見ても、「オリジナル・オーダーメイド」が必要な事がお判り頂けると思います。そして、敷地条件だけでなく、家族構成、予算、各個人の趣味や考え方などの違いにより、本来ひとつとして同じ家はありえず、そこにはそれぞれ違った家づくり「オリジナル・オーダーメイド」のプロセスがあります。

オーダーメイド
設計事務所の仕事

<設計事務所の仕事とは・・・>

設計事務所の仕事は、大きく分けて設計と工事監理に分かれます。

【設 計】
■基本設計
設計に入る前の地盤や近隣調査、検討などを行い、建主のご要望等を十分理解し具体的な形にします。

■実施設計
基本設計に基づいて、工事施工業者が工事を実施する為に必要な図面を作成します。

【工事監理】
施工者に設計意図を正しく実現させる為に指示を行ったり、設計図書のとおりに実施されているかを確認します。
使う材料やその色などを選定し、最終的に建主に決定していただくための作業も行います。

家をつくりたい

【敷 地】
まず、大切な建主の敷地をどうやって有効に利用するかを考えます。敷地条件は、様々であり、敷地が狭かったり不整形だったとしても心配ありません。それでも、良い環境を創出することが私たちの仕事です。

【構 造】
建物の構造としては一般的な住宅程度の規模であれば、次のようなものがあり、御要望、予算に応じた設計が出来ます。

●木造
一般的な住宅に多く用いられる構造です。施工がしやすく、工期も他の構造に比べ、短くて済みます。しかし、大きな空間を造る場合には向いていませんし、形にも制限があります。

●鉄筋コンクリート造
木造より大きな空間をつくることが可能であり、耐震性にも優れています。重量が重くなる為、地盤の悪いところでは杭などにコストが掛かります。工期も木造に比べ長くなります。

●鉄骨造
木造より大きな空間をつくることが可能であり、耐震性にも優れています。工期は、鉄筋コンクリート造に比べると短くて済みます。

●その他
鉄筋コンクリート造と木造を組み合わせたり、鉄筋コンクリート造と鉄骨造を組み合わせたりする混構造も可能です。

【プランニング】
どのような家をつくりたいかを聞かれれば大抵の方は、リビング=くつろぐ、ダイニング=食事をする、寝室=寝る、といった機能を無意識に当てはめているはずです。しかし実際の生活は違います。食事をする場面を考えても、家族全員で朝食を取る、1人でテレビを見ながら食べる、休みの日にテラスで昼食を取る、友人を呼んで大勢で食べる、など上げたら切りがありません。発想をちょっと変えただけで、家中すべてが食事をするスペースになります。
皆さんも、リビングや客間といった部屋名ではなく、広いフローリングのスペース、落ち着いた畳のスペース、庭の見えるカウンター、みんなの顔が見えるキッチンなどイメージを空間に当てはめて家のプランを考えてみませんか。今までと違ったあなただけの家が見えてくるはずです。

【長持ちする家】
建物の寿命を考えると、いわゆるハード面の「耐久性」とソフト面の「使い勝手」の二つについて考える事が必要です。
「耐久性」については、耐震性能や構造体、仕上材、設備機器の性能です。耐久性で重要な事は、その後のメンテナンスです。きちんとした使い方と、適切な時期に、きちんとしたメンテナンスをすれば建物の寿命は長くなります。
もう一つの「使い勝手」ですが、どの程度まで将来を見据えるかは大変難しい問題です。将来の家族構成や、ライフスタイル、健康状態がどうなるかなど出来るだけ将来を見据えながら、将来のリフォーム、リニューアルなどに配慮していく事が重要だと思います。
私たちの事務所は、多くの公共建築を手がけています。このノウハウを活かし、「耐久性」があり、「使い勝手」の良い、「バリアフリー」などに配慮した家づくりを行います。

家

<家族構成もライフスタイルも変化していく>
子供が出来る、親と同居する、子供が独立するなど家族の構成やそのライフスタイルは変化していきます。難しい問題ではありますが、そのような変化に柔軟に対応できることが大切だと思います。
例えば、本当に独立した子供部屋が必要なのは小学校高学年から高校生ぐらいまでの、ほんのわずかな期間だけかもしれません。
家を建てたらもう終わりなどと考えないで、家族に合わせて家も成長させる事が必要です。柔軟な発想で、スペースを有効に活用すれば良いのです。最初は大きなオープンスペースにしておいて、将来子供が大きくなったら間仕切りを付けたりすれば簡単に出来ます。

 

<バリアフリー>
家を新築するときは「バリアフリー」でと誰もが考えると思いますが、「バリアフリー」といってもその内容は様々です。障害の内容は千差万別であり、その障害に合った適切な処置をしないと、かえって不便になってしまいます。
まず、家を造るときに家族全員が健康ならば、段差の解消、健常者にとっても便利な手摺の設置、ゆとりある水廻りスペースの確保、トイレを寝室に隣接させる、などを行っておいて、あとは障害を負ったときにそれに合わせて、適切にリフォ-ム出来るようにしておく事が大切だと思います。

 

<エコロジー>
建築におけるエコロジーに関しては二つの側面があります。
一つ目は地球環境の問題を改善するために私たちが取り組まなければならないこと。自然エネルギーを上手に活かし、環境負荷の低減を行ったり、リサイクル品などを積極的に使い資源を大切にする事です。
二つ目は、自然が与えてくれる恵みを五感で感じる事が出来るような、「豊かさ」、「快適さ」、「健康」を追求すること。シックハウス症候群という塗料や建材などに含まれている化学物質が健康に及ぼす影響が問題になっていますが、匠建築研究室では、学校や保育園、公営住宅を数多く手がけており、有害物質を含まない材料を使うのはもちろんのこと、完成後に有害物質の濃度の測定を行うなどしています。

エコロジー

設計を依頼する方法

ここでは、設計を依頼するにはどのようにすれば良いのかを私たちの事務所の場合の住宅を例にとってご説明します。

【準  備】
まずは、自分なりの住宅のイメージを持つ事が必要になります。そのためには、雑誌などの情報を集めたり、家族で夢を語り合ったりする事が大切です。
それから、予算や規模、建築の時期などの基本的な要望事項を整理して下さい。しかし、この段階ではあまり難しく考えないで、漠然としたものでも大丈夫です。

【相  談】
設計事務所に連絡したら、必ず設計を頼まなくてはならないとか、相談するとお金が掛かるという事はありません。まずは気軽にご連絡下さい。

【打ち合わせ】
まず最初にお会いしたら、どのような家を建てたいかなど、なんでも結構ですのでお話下さい。私たちも設計の考えやこれまでの出来上がった建物などをご紹介しながら、お客様の抱いているイメージを掴んでいきます。

【モデルブラン作成】
敷地にどの程度のものが建つか、どのような考え方があるかなど可能性を探ったり、お客様のイメージを具体化するための簡単な平面やイメージスケッチのようなものを作成します。このモデルプランをもとに、何度か打ち合せを行い、お互い理想とする家のイメージを膨らませていきます。もちろん最初のイメージとは違うものに変化していく事もあるでしょうし、敷地条件や法規的な制約が出てくるかもしれません。

【設計の契約】
モデルプランの打ち合せ(通常は2~3回程度)を行い、大体の方針が決まれば、大まかな予算と共に設計料の見積書を提出します。
設計料については規模、予算、構造、内容などで違ってきますので、その都度算出しています。
もしこの段階で、納得がいかないようであれば、はっきりと断って頂いて結構です。このあたりまでの作業であれば私たちの事務所では無料で行っていますので、ご心配はいりません。
設計を依頼したいということであれば、設計監理の契約を取り交わします。

【契約後について】
モデルプランで方針が決まったといっても、そのまま図面を書いて家が出来上がるという事ではありません。ここからが設計の始まりです。デザイン、構造、予算、設備などの詳細を詰めながら、良い空間を具現化する為に検討や打ち合せを重ねます。もっと違うアイデアが出てきて、モデルプランとは違うものになる事もあります。家をつくる作業は、建主と設計者のコラボレーションです。お互い良いアイデアを出しながら、素適な家を匠建築研究室と一緒につくってみませんか。

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